エアロハスのある家

2018年末、パナソニックホームズで一軒家を建てました。

なぜパナソニックホームズは布基礎なのか??②

 こんにちは、ニッキーです。基礎について前回の続きを書いていきます。

 前回は布基礎とベタ基礎について、その特徴、メリット・デメリット、建築的な基準値、採用しているハウスメーカーなどをネットで調べて書いたものでした。今回はその得た情報を元に『なぜパナソニックホームズは布基礎なのか??』についての私の考察を書いていきます。

 

earohasunoaruie-2019.hatenablog.com

 

布基礎採用のハウスメーカーは安全性よりもコストダウンを優先しているのか?

 

 巷では『ベタ基礎は壁下だけでなく床下も鉄筋コンクリートでつながっているので壁下だけ鉄筋コンクリートの布基礎よりも頑丈で安全だ』、『布基礎はベタ基礎よりも安く施工できる』などとよく言われています。特にベタ基礎を採用しているハウスメーカーの営業マンは『頑丈で安全』をアピールしてくることが多いです。

 確かに基礎を単体で見れば壁下も床下も鉄筋コンクリートのベタ基礎の方が頑丈な感じがします。では、布基礎を採用しているハウスメーカーは頑丈さや安全性よりも鉄筋とコンクリートの材料費の削減を優先するために布基礎を採用しているのでしょうか?

 答えは『NO!!』だと考えます。それは建物の工法が『木造』なのか『鉄骨造』なのかで『布基礎』を採用するのか、『ベタ基礎』を採用するのかという違いが出てきているのだと思われます。前回の記事でも触れましたが、木造のハウスメーカーのほとんどは『ベタ基礎』を採用し、鉄骨造のハウスメーカーのほとんどは『布基礎』を採用しています。もし、絶対的に『ベタ基礎』の方が安全性に優れているのであれば、ベタ基礎を採用する鉄骨造のハウスメーカーがもう少し多くてもいいようなものです。しかし現状は大手ハウスメーカーではセキスイハイムのみがベタ基礎です。

 

 

なぜ木造はベタ基礎が多く、鉄骨造は布基礎が多いのか??

 

 これは家の支え方の違いによるものだと思われます。木造の家でも鉄骨造の家でも耐力壁があります。耐力壁とは木造であれば筋交いの部分、鉄骨造ではブレースの部分です。耐力壁の量は構造計算により求められ、その量よりも多く設置しなければなりません。鉄骨造のブレースは木造の筋交いよりも大きな力に耐えられる構造なのだそうです。そのため鉄骨造と木造では耐力壁の量に差が出てきて木造では多く、鉄骨造では少なくなるそうです。

 地震時のエネルギーは耐力壁に集中します。木造では耐力壁が多いためそれぞれの耐力壁にエネルギーが分散してバランスよく基礎に伝えることができ、それに対し鉄骨造では耐力壁が少ないため伝わったエネルギーを基礎にバランスよく伝えづらくなるようです。なので地震時のエネルギーを分散して伝えやすい木造は、面で支えるベタ基礎を採用し、分散して伝えにくい鉄骨造は線で深さのある布基礎を採用しているのではないかと思われます。

 

 

布基礎は力の集中に強い??

 布基礎は根入り部分からの高さがベタ基礎よりも高いため、垂直方向からの荷重には強いと思われます。リモコンのような細長いものは横から力をかけると割れやすいですが、縦から力をかけると割れにくいです。

 

 

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頑丈な基礎とはどのような基礎なのか? 

 

 基礎の頑丈さは布基礎やベタ基礎の種類の違いではなく、基礎の高さや深さや厚さ、鉄筋の太さや量の違いで決まるのではないかないでしょうか? 国が定めた最低基準のベタ基礎よりも最低基準を上回る基礎の高さや厚さ、そして最低基準よりも太い鉄筋を使った布基礎の方が私は頑丈と言えるのではないかなと思います。では、パナソニックホームズの布基礎は最低基準と比べるとどの程度のものなのでしょうか?

 

パナソニックホームズの布基礎

 

 公式には立ち上がりの厚さと主筋の太さを公表しているのですが、他は詳しい数値は公表していないようです。ネットでいろいろと探してみたのですが、正確にはわかりませんでした。しかし、ある程度はわかりましたので参考値として見てください。

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  立ち上がりの厚さ(170mm)と主筋の太さ(19mm)は公式に発表されているので間違いないでしょう。この表の立ち上がりの高さ(450mm)は我が家の数値です。ネットで分かった基礎全体の高さは720mmということでした。根入りの深さとフーチング厚は我が家の立ち上がりの高さが450mmだったので全体の高さからそれを引くと地中に埋まっている分は270mmです。根入りの深さとフーチング厚の基準値を考慮して算出するとパナソニックホームズの根入りの深さとフーチング厚は基準値と同じ数値となりました。補助筋も公式には公表しておらず、ネットで探し当てた数値です。公式ホームページには、フーチング幅(ベース幅)と配筋は地耐力と建物仕様によると明記されています。

  最低基準と比較していくと、最低基準を下回っている項目は当たり前ですがありません。下回ってしまうと違法建築になってしまいますからね(笑) 最低基準と同じ項目は『根入りの深さ』と『フーチング厚』の2項目でした。最低基準を上回っている項目は『立ち上がりの高さ』、『立ち上がりの厚さ』、『立ち上がり部の主筋』、『立ち上がり部の補助筋』、『フーチングの補助筋』の5項目です。全体7項目のうち5項目で最低基準値を上回っていました。基礎全体の高さも最低基準が570mmに対しパナソニックホームズは720mmでその差150mmです。多数の項目で最低基準を上回っているのでパナソニックホームズの基礎は丈夫に造っていると言っていいのではないでしょうか?

 

まとめ

 基礎というのはそれぞれの建物、地盤にあったものを採用するべきものだと思います。鉄骨造に布基礎が多く、木造にベタ基礎が多いのも各ハウスメーカーが安全性を考慮した結果なのでしょう。パナソニックホームズは鉄骨造のハウスメーカーとして有名ですが、最近は木造の家も建てているようです。ちなみにパナソニックホームズの木造の家の基礎は『ベタ基礎』でした。パナソニックホームズは鉄骨造は布基礎、木造はベタ基礎が適していると考えているのでしょうね。